私には大事な宝物があります。父親と共に二人三脚で守って来た工場です。
小さないわゆる町の工場ではありますが、私たち親子にとっては唯一無二にして最高の城のような存在です。
当初は家族だけで細々と経営を行ってきていましたが、現在は十教員も増え、私としては本当に充実した毎日を送ることに成功しています。
そんな我が工場も父の代からの経年による劣化で老朽化が進み、今年の春に一大リニューアルを敢行しました。工場内をリフォームし、機材も新しいものを多く導入してみたのです。
その際、以前から使ってきた古い機器をどう処分するのか、工場のスタッフたちを交えて何度も話し合いました。もちろん、廃棄処分してしまえば話は早いわけですが、皆、思い入れがあるためそれには反対でした。
そして導き出された結論が、中古機械の買取を行っている業者を探し、お世話になろうということでした。
こんな時、本当にネットは便利です。中古機械の買取をしてくれる業者を探してみると、すぐに見つかりました。その場で査定と買取を依頼すると、出張してきてくれるとの返事がメールで来ました。
数日後、約束した日に業者さんが我が工場を訪ねて来てくれました。ひとつひとつ丁寧に査定してくれて、内心、熱い感動のようなものがこみ上げて来ました。
しかも担当者さんは、我々がいかに機具を丁寧に扱って来たのかを一目で見抜いてくれたのです。これには非常に嬉しく、また誇らしく感じ入りました。我々の工場を卒業した機材たちが、新天地にて、再び大いに活躍してくれることを強く望み、願っています。